経済的な余裕がないと不健康な食生活になるのか?

これ、ここ3年くらいの私のテーマなんですけど。

結論から言いましょう・・・

答えはNOです。

貧しい国々では、
そういう研究結果が出ているところもあるみたいですけど、
(糖質過剰になるから、というお話ですね)
少なくとも日本においてはNOと言いたい。

ちなみに経済的余裕がないというのをどのレベルで想定しているかと言うと、
だいたいMAX想定で、
求職中で生活保護をもらってギリギリの生活している、という方です。

なんでそうなるかというと、
わたしが前々職で、障害のある方の就労をサポートしていた頃に遡ります。

当時、わたしは精神疾患や発達障害をはじめ、
身体障害や知的障害も含め、
何らかの「障害がある」と言われる方々の就職をサポートしていました。

毎日毎日、面談やら講座やら、面接の同行やら、
場合によっては自宅への訪問も含め、
結構密接に関わっていました。

状況は様々で、実家暮らしで働かなくても困らない方から、
実家には頼れず、とにかく働かないと食べていくのも難しい、という方、
はたまた障害年金をもらいつつ生活している方までさまざまでした。

通院をしつつ、体調を整えながら就職活動をしている彼らに向けて、
わたしは「食生活」に関する講座を行なっていました。

というのも、毎日毎日菓子パンやコンビニのおにぎり、カップ麺のようなご飯を食べている人が、
本当に多かったのです。

ある日、講座が終わったあとに、

「お米を買うのもやっとなのに、それ以上食事に気を使うことなんてできない」
「余裕があって贅沢できる人はいいですよね」
「玄米なんて不味くて食えない」

とか、そんなことを言われたりしました。

もちろん、
「今日から少しでも○○を控えるようにしてみます」と言って実践してくれる人もたくさんいたのですが、
当時はやっぱりネガティブな方の意見に引っ張られたものです。

今なら・・・
「そんなん知らんがな。好きにしたらいいわ!!!!」と、言いますけどwww
(だって、そういう人に限って、タバコやらお酒にお金使ってたりしたし。
第一わたしには関係ないしw聞きたいって言うから話してあげたのに、くらいなもんですwww)

まぁ、それ以外にも、
わたしが発信したことに対して、
「1円でも安い食材を買うために頑張っている主婦がいるのにけしからん」
みたいなことを言われたこともありますwww

いやいや、なんであなたが安売り大好き主婦視点で語るのさ、って感じですけどね。。。
好きにすれば良いのです、好きにすれば。

そう言う風に言う人は、どちらかというと、
「これでいいんだろうか?」という引け目を感じていたり、
自分の食生活に罪悪感を持ってるから超気になっているだけだったりします。。

その後の会社では企業向けに食生活改善の提案を200社くらいに向けてしましたが、
その時にも色々思うところがありました。

そして最近。
シッターのお仕事って、ある程度年収があるお家に、
入ることが多いのです。

その上で、何を買うかとか、
どんな風に子どもにお金を使うか、は、
本当に価値観でしかないということがよくわかりました。

たくさんの市販のお菓子を買っておくことが、
子どものためと思っている人もいるし、
子どもが甘いものを食べたがるからとチョコレートやクッキーなどをたくさん用意している人もいます。

ご飯を食べてくれないお母さんが悩んでいるお子さんに限って、
お菓子食べすぎてるからご飯食べないだけ、というケースも結構多いです。

それも愛情だとか、
その良し悪しの議論は置いておいて、

改めてわたしがわかったことは、
食生活と経済状況は関係ない
ということです。

要は、
何を大事にするかなんですよね。

なにより、
ベースの知識があるかないかも結構大きくて。

健康に気を遣った食生活にはお金や手間がかかるということそのものが、
そもそも思い込みだったりもします。

毎食一汁三菜食べなきゃいけないわけでもないし、
特別な食材が必要なわけでもないのです。

むしろ・・・必要なのは、
同じ値段でも、どちらを買うかを判断できる力だったりします。

さらには、知らないからこそ余分なものを買っているケースもたくさんあります。

何を豊かと考えるか

これが今の時代は問われているのだなぁと思います。

お金があってもなくても、
何を大事にしたいか?

これは、
お金がある時にも、ない時にも、
スタンスを問われるのだと思うのです。

時間も同じです。

同じく、何を大事にしたいかというところなんですよね・・・

どちらが良いとか悪いとかじゃなくて、
何を大事にして生きていくのか

ただそれだけなのです。

その視点で見た時に、
経済的な余裕がなければ、
食生活に気を遣えないというのは、NOだと思います。

だからわたしは・・・
可愛い見た目のお弁当をつくるのであれば、
その手間を使ってお出汁をひくとか、

市販のお菓子やジュースを買ってあげるのであれば、
そのお金を使ってちゃんとした調味料や食材をそろえるとか、

一日○品目!や、カロリー計算に縛られたり、
栄養不足に不安になってコンビニご飯に一日分の野菜ジュースとかを飲むのであれば、
お味噌汁の具をひとつ増やすとか、
菓子パン買うんじゃなくておにぎり作って持っていくとか・・・

そんなことを伝えていきたいんです。

ひとくちずつ噛み締めて味わうご飯だとか、
お出汁を鰹節からひいたお味噌汁だとか、
そんな食事を「豊か」だと思うきっかけづくりをしていきたいなぁと思っています。

食事は、健康のためだけではなくて、
心の豊かさをもつくるのです。

子どもの食育の前に、
わたしたち大人が、豊かさとは何かを考えること。

これがなにより、今の日本には必要なのだと思っています。