ある魔法の国に魔女がいました。
その魔女は、
なぜかなかなか魔法が使えるようになりませんでした。
この国にはたくさんの魔法が使える魔法使いや魔女がいます。
病気の人を治してしまう魔法や、
過去の辛かったことを忘れてしまう魔法、
未来への不安をなくしてしまう魔法
困ったひとを助ける魔法・・・
「わたしには何も魔法が使えない・・・」
そう思い、悲しくなった魔女は、
がんばって魔法が使えるようになろうと、
一生懸命本を読んだり、
たくさんの有名な魔法使いや魔女たちに、
魔法が使えるようになる方法を聴いて必死で勉強しました。
また、時には、
魔法が使えない分、誰かの役に立たなきゃ!と、
自分よりまわりの人を優先して、
精一杯働いていました。
「頑張っていたら、いつかは魔法が使えるようになる。
そうしたら、この国のひとたちを、もっともっと幸せにできるはず!」
そう信じていました。
そうして、何年もの月日が経ちました。
魔女は、魔法が使えるようになりませんでした。
そして、魔法が使えない分、
頑張って人の役に立とうとしても、
なぜか、みんなが幸せになるわけではありませんでした。
ついに、魔女は、魔法が使えるようになるために頑張ることや、
魔法が使えない分誰かの役に立とうとすることに疲れてしまいました。
「魔法を使えない魔女なんて、いてもしょうがない・・・」
と悲しくて、辛い気持ちになった魔女は病気になってしまいました。
つづく