食に向き合い始めた頃、
生まれて初めて野菜の「種」や「栽培方法」について興味を持ちはじめました。
裏を返せば、
それまでは一切の興味を持っていなかったということです。
野菜を買うときは、見た目と値段。ちょこっと産地も気にして。
今思えば、味すらあまり気にしたことがないほどでした。
この記事、にんじんを清水の舞台から飛び降りるつもりで買ったあの頃のようなところからスタートして、
少しずつ少しずつ自分の中で納得しながら食と向き合って、
今に至ります。
わたしにとっては、
「野菜」というテーマは結構大きくて。
すごく大事だとわかりつつ、近寄りきれなかったテーマ。
なぜかというと、
自分がちゃんと栽培したことがないから、
消費者だけの視点なので自信がないのです。
なんせ、根っからの実験気質なのでwww
自分でやってみないと納得しない、気が済まないw
じゃあ、やってみるか!!!
と思ってからも、長いことあーだこーだとやらないでおりましたw
実家では自家菜園やってますが、
基本は食べる&料理するメインですのでw
で、今回。
ちょっと落ち着いた今のタイミング。
野菜の栽培についてお話を聴くなら、この方!!
といつも投稿を拝見しながら思っていた岡本よりたかさんがお近くで講演されるとのことで、
「わぁ!!!今だ!」とお話をお聴きして参りました。
自分が好きな形で最初の一歩を踏み出すための知恵を教えていただきたかったのです。
そしたらもう・・・
めちゃくちゃすごいの・・・
なにが凄いって、
20年以上、とにかくずーーーっと実験されているのです!!
その経験から、しかも理系の知識を元にお話されているので、
わたしの納得感が半端ないw
岡本さんって、
身体を壊して退職した後にベランダ菜園からはじめてて、
マンションの3階のバルコニーで、
プランターを32個(50ℓ)置いて始めたそうです。
普通にホームセンターで肥料入りの土と交配種(F1)のタネを買って収穫したらしいのですが、
そのあともう一度タネをまいたら、2回目以降は全然野菜ができず、
3回目は本当にダメダメで。
おかしいなぁと思って、色々調べたそうなんですが、
「一年ごとに新しい土を入れるように」という本を読んで、
「え!!!!?最初に土を運ぶのも大変だったのに、
この階段のないベランダで、そんなことやったら死んじゃうよ????」
もちろん、環境問題への課題感も含めて、ただならぬ動機があったとは思いますが。
ということで、自然農法に取り組み始めたらしいのですw
その後はどんなに本を読んでチャレンジしても、
散々失敗して、試行錯誤の繰り返し。
いまだに18年間、土を変えず、肥料を与えずにプランターで野菜を収穫できているそうです。
そんなこんなで、
今日の濃いい内容をダイジェストにして・・・
本来の野菜のタネの形って、知ってる??
そう、とっても面白いなーーーーと思ったし、知らなくてびっくりしたのですけど、
タネは発芽しにくいように&流通しやすいように加工されて売ってます。
にんじんのタネはトゲが生えてるんです!!
イガグリみたいな感じ。
大根のタネは3粒セットのスポンジつき。
かぼちゃのタネも先が尖ってます。
それぞれ、水分を吸収しやすいように、
野菜がそうしているらしいのですけど、
流通のために加工することで、
めっちゃ発芽しにくくなるそうなんです。
確かにトゲトゲのタネって、流通しにくい!!!
ということは・・・自家採種だと、とても発芽しやすくなった!らしく、
とても驚いたそうなのです。
野菜は腐らず枯れるもの
これはほんと、わたしも買う野菜を変えてびっくりしたこと。
それは、驚くほど腐らない、ということです。
もちろん、100%農薬や肥料を使っていない野菜を食べているわけではないですし、
スーパーで野菜を買うこともたまにありますが、
それでも感覚として、腐らせることはほとんどなくなりました。
本来野菜が腐らないのは果実が腐るとタネも腐って、
そうするとタネが残せないから・・・ということなんですが、
ということは、腐る野菜は?
水分とミネラルのバランスが狂っている、ということになるのだそう。
なるほど・・・
大きすぎる野菜は栄養価が低い
これもまさに・・・
この記事では、にんじんを食べて、味が濃くてびっくりした話を書いていますが、
野菜一個あたりの細胞の数というのは、
大きくても小さくても変わらないので、大きい野菜、というか大きく作っている野菜、というのは、
グラムあたりの栄養価は下がります。
要は、水ぶくれしている状態です。
人間だと、
肥満です。
肥満のひとと、痩せてるひと、
細胞の数って変わらないですよね?
でも、農協はグラムで野菜を書いますから、
普通の農家さんは大きく作ろうとしますよね・・・
消費者も、大きくて立派な野菜を買おうとしますしね。
にんじんだったら本数で調整したりできますけど、
大根だったらそうはいかないですしね。
そんなわけで、野菜を大きく立派につくるためのあれこれが誕生したわけです。
形が悪い野菜は受粉していない
タネが入っていないと、野菜の形が歪むのだそうです。
このあたりは、農薬や成長ホルモンとの兼ね合いがあるのでちょっと割愛しますが、
小さい大きいという不揃いと、歪みはまた全然別のお話、ということですね。
肥料をあげると虫がつく
確かに野菜には窒素が必要なのですが、
肥料をあげることで野菜に窒素が過剰になり、
野菜が窒素を排出しようとすることで、虫を呼ぶのだそうです。
これは有機肥料も一緒とのこと。
ほぉぉぉぉ!!おもしろい。
だから肥料と農薬がセットで必要になるわけですね。
じゃあ、なんで肥料をあげるのか?というところも、色々大人の事情があるわけですが、
これもまたおもしろいですねー。
植物は雨が嫌い
これも面白いですねー!!!
雨が降りそうになると、
葉っぱの裏の気孔を閉じて、身構えるそうで。
なぜなら、葉っぱからは水を吸わないからだそうなのです。
そんでもって、葉っぱがちゃんと水をはじくから、木の下で雨宿りができるというわけです。
そりゃ、根から吸うのが普通よね、という感じではありますが、
葉っぱに水がつくことで、カビが生えたりして病気になる可能性があるので、
「葉っぱに水がかかるの、まじ勘弁!!!!」っていう感じなのですw
言われてみれば普通のことなんですけど、
改めて納得です。
表面の土が乾いていても、
地下水で生きていけるから、水を上げる必要はほとんどない、と。
プランターでも1週間〜2週間に一度、規定の量の水をあげれば十分とのことで、
おおおーーーー面白い!!!!って感じです♪
交配種と遺伝子組み換え作物は明確に異なる
これ、モンサント社とかは同じだよーと言っているのですけど、
いや、全然違うやん・・・というわけで、
こういう言い方をすると超わかりやすい。
交配種は、大根Aと大根Bを掛け合わせることしかできないけど、
遺伝子組み換えは、大根とかぶを掛け合わせることができる。
もっと言えば、
交配種は、牛Aと牛Bを掛け合わせることしかできないけど、
遺伝子組み換えは、牛と人間を掛け合わせることもできる。
とこんな感じ。
そんなこんなで遺伝子組み換えなら、
除草剤かけても枯れないような植物も作れちゃうから、
がっつり除草剤かけて育てられちゃうのよね・・・
あとは、殺虫成分を含む植物とかもできる。
え、殺虫成分食べるの?という感じですが、
作物そのものなので、時間が経っても消えないし、そりゃ残留するよね・・・という感じ。
「遺伝子組み換え使ってない豆腐とか、トウモロコシとか買ってるから関係ないー♪」
という方もいらっしゃるかもですけど、
そのよく飲んでるジュースに入っている果糖ブドウ糖液糖の原料とか、
食品添加物そのものが遺伝子組み換え原料を使っていても表示義務ないですし、
家畜のえさとか、
砂糖、醤油、油は、遺伝子組み換えであっても、これまた表示義務がないのですよね。
そうじゃないと、
なんとなーく嫌われ者の遺伝子組み換え食品といえど、
年間2000万トン以上日本に輸入されている遺伝子組み換えトウモロコシや大豆、菜種は、
どこに消えてるの?ってことになりますからね・・・
そんなわけで、
かなーり濃い時間だったのですが、
直感的に書き残しておきたくなったことをピックアップしました♪
もちろん、他にも色々とお聴きしました。
種子法の話、種苗法の話。
今の日本の農業についても。
日本全国を回られている岡本さんですから、
もちろん農家さんと接する機会もとても多いわけで。
その中でのやりとりや、農協とのリアルなやりとりについてもお話をお聴きしました。
昨日のカカオの話もそうだし、
現代のさまざまな動きに色々と思うところはあるけれども、
結局は、
「わたしはどう動く?」
というところに戻ってくるので、
やってみながら、色々なひとと話をするということを
やっていきたいな、と思います。
この本もおすすめです。
野菜は小さい方を選びなさい 岡本よりたか著